テニスにて

テニスコーチの視点からの解説

失敗してみないとわからない〜Dさんの記事抜粋4

この前、テニススクールでイベントがあり、初中級以下のレベルの人たちだけのダブルストーナメントを運営しました。
皆さんスクールの生徒さんで、ほとんどの方々がまともに1セットマッチを体験したことのない人たちばかりでした。テニスのレッスンである程度ひと通りショット(サーブ、ストローク、ボレー、スマッシュ)を打ったことがあり、ルールもポイントの数え方ぐらいは知っているという方々です。
初めての方々でも、審判は置かずにセルフジャッジにします。その代わり、何か分からなくなったことがあったら助言ができるようにするために1試合につき1人コーチをつけました。

参加した方々にとっては、あらゆることが初体験です。
特に1セットマッチとか6ゲーム先取とかの時間的な長さを知らないので、それが原因でいろんな失敗が生まれます。

例えば、ポイントカウントやゲームカウントを忘れてしまう。
テニスの一般のアマチュアの試合は、セルフジャッジといって、プレーヤー同士でラインジャッジしたりポイントを数えたりするシステムになっているケースがほとんどです。だから、慣れてない人が長い試合をするとポイントを忘れてしまうのは結構頻繁にあること。今回の大会でも途中で忘れてしまい、対戦相手と思い出して30-30というポイントに落ち着いたんだけど、実は40-15でホントはゲーム取れていたのに逆転されて取られてしまった、なんてことがしばしば起こります。

こういうビギナーの試合は技術ではなく、このようにルールへの慣れや場数が勝敗につながったりします。心の中で「今のポイントは30-30で次はどちらからサーブを打って」なんて考えて試合してたら、いいプレーもできませんよね。

でもね、こういう経験をする段階は必要なんですよ。ちょっと恥をかくような失敗をする経験がね。ルールブックでいくらルールを頭に叩き込んでも、いざ現場の緊張感や試合の長さの疲労感などの中ではわからなくなっちまうんだって肌で感じることが必要なんです。
ポイントを間違えた試合では、試合後にコーチが答え合わせをしました。答えを知ったプレーヤーは、実は勝てていた試合だった悔しさや間違えた恥ずかしさなどから、次はポイントを絶対覚えておこうという気持ちになります。こういう感情込みの知識が知恵となって将来の成功や勝利につながるのです。試合のルールや進行に不安を感じながらプレーをすることから卒業できて自分のプレーに集中できるようになるのです。

ここでDさんの英語上達の記事の抜粋です。以前、僕が共感してコピペしといた記事をシリーズで紹介してます。


初期の段階は恥をかきっぱなしだし、語学を知らない人には認めてもらえない場合がある(外国語を知らない人ほど、喋れないひとをバカにする)が、それは努力によって将来完全に克服され、自分の中で笑い話になるのだということを常に念頭に置く。

とにかく一歩踏み出すのです。そして、積極的に失敗したり恥をかいたりするのです。そこで得た知識や経験に悔しさなどの感情が加わって、深い知恵となって次に役立つのです。

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もう一つ、試合初体験のビギナーが感じることと言えば、体力面があります。試合が長いから疲れるんです。お腹も空くし足も動かなくなるし握力もなくなるし。。。

そういう体験をしたことで、もちろん将来の成功につながるのですが、体力面の場合「じゃあもっとトレーニングして体力つけて」とか「筋トレして体を強くして」とか考えない方がいいと思います。トレーニング志向にいっても、ビギナーの場合ホントにそこで体力アップできた人はあまり見たことありません。やはり人それぞれに生活があり、プロのようにハードなトレーニングに時間を取るのはコスパが低い。途中でまぁいいかって思ってしまいがちです。やるとしたら地道に1日10分ぐらいで毎日続けられるトレーニングをしましょう。
それよりも、その後の練習や次の試合につなげていくためには、試合時間を短くすることを考えた方がいいです。
試合時間を短くするためには、ストロークの打ち合いでのミス待ち作戦を卒業してボレーでポイントを取りに行くことが1番です。ポイントを取るとなると、どうしてもプロが打つようなカッコいいストロークで決めるイメージがみんな強いみたいですが、それを真似しようとすればミスも多くなるし、ストロークは動作が大きいので疲れるし、ロブの打ち合いとなるとラリーも長くなって疲労は倍増です。
ボレーなら動作も小さいし、スピードを上げるのもストロークに比べれば簡単、ボールに角度もつけやすくて、ポイントを簡単に取れる有効なショットです。錦織圭でさえ、手っ取り早くポイントが欲しい時は、サーブandボレーしたりします。ダブルスなら前衛にボレーヤーを最初から置くことができますから、前衛の活躍次第で試合時間を大幅に短縮できて乗り切れるようになっていきます。

つまり、その後の普段の練習ではボレーの練習も多く取り入れることが大事だと感じるようになると次の試合は見違えるように良くなることが多いです。ポイントを取りにいこうとする気持ちが芽生えて、ビギナーながらも競技としてのテニスに昇華していくのです。

ここでもDさんの記事を抜粋させてください。この一文が僕はだいすきです。

語学習得のプロセスは、盲目の人が視力を得るのに似ている。今まで意味を持たなかった記号の集合と喧騒が、秩序と色彩を持ち、自分の前に全く新しい世界を展開する。自分の知らない人々との出会いが待っている。語学を習得することの素晴らしさは、それを成し遂げた人にしかわからない。

テニスでも、単なるボールの打ち合いのような喧騒や、フォーム矯正などの記号が、秩序と色彩を持ち、自分の前に全く新しい競技やゲームとしての世界が見えてきます。

もっと言えば、語学やテニスに限ったことではありません。ビジネスでも勉強でもその他の娯楽でも、失敗と努力の繰り返しは新たな自分を生み出し、他の人にはわからない最高の楽しみとなるのです。

ではは(^^)/