テニスにて

テニスコーチの視点からの解説

必ず上達する方法 part2 初級編

 この前、失敗を人に見せて、自分自身にも客観的なデータとして失敗を見せると必ず上達すると書きました。

しかし、初級者やお年寄りや自信を失っている人に「失敗を見せろ、客観的に見ろ」と言っても、なかなか踏み出せないことがあります。
この前も書いたように自尊心や羞恥心もあるでしょうが、こういう方々に多いのが「他の人に迷惑がかかるから」という気持ちを抱いているから、失敗して場を途切らせてしまうぐらいならお先にどうぞ、と尻込みしてしまうケースです。

突き詰めて言うと「他人に迷惑がかかるから」っていうのも言い訳なんでしようけど、テニス始めたばかりの人や70歳80歳のお年寄りの方々に「それは言い訳だろう!失敗を客観的に見ろ!」と詰め寄るのは上達させられるかどうかの前に、人としてどうかと思いますよね(笑)下手したらテニスやめちゃう、、、

こういう方々はなぜ「他の人に迷惑かかる」と思うのでしょうか、何を伝えればいいのでしょうか。どうすれば上達するのでしょうか。

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初級レベルの人とはどういう人でしょうか。
始めて間もないうちは当然失敗も多いですよね。失敗だらけって言ってもいいかもしれません。失敗が多すぎて客観視なんてできないんです。特に始めたばかりの方々は元からいる同じクラスの人より知らないことが余計に多いのです。だから、いろいろな情報を整理する時間が不足するので、お先にどうぞという選択をするのです。

お年寄りはどうでしょうか?
始めたばかりの方ではなくとも、お年寄りは情報処理能力が遅くなる傾向にあります。
お年寄りの情報処理時間を計る術はないので、データに基づいてるものではなく飽くまで僕の経験上の見立てですが、言われたことをゆっくり考える素振りを見せる方が多いのは確かだと思います。

自信を失っている方も同じことが言えます。ネガティヴな感情に支配されて、情報を処理できる余地が少ないのです。

つまり、初級者もお年寄りも自信失っている方も「他の人に迷惑がかかるから」と考えるのは、「どうせ私は」的な投げやりではなく、情報処理に時間がかかっているのです。

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ここまでくれば、少し答えが見えてきましたね。

まずは情報量を減らすこと。
そして時間が必要だということ。

コーチ側から見たらシンプルなアドバイスを心がけることが必要です。ズバッと一言で言ってズバッと上達させられるのが理想のコーチです。
そしてアドバイスしたら情報を消化する時間を与えること。その間、コーチは何もしなくていいわけではありません。上手くいったら褒めることが消化を促進させますし、上手くいかなかったら「何を気をつけるんだっけ?」と質問をして消化の停滞を防ぐのです。

これらは子育てや、他の習い事のや新人にお仕事を教えるときなどでも使えると思います。

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コーチがついていない場合、自らどういう失敗を気にしたらいいか詳しくはわからないですよね。自分が打っている最中に自分の姿は見えません。体がなんかおかしな動きをしたと思っても具体的にはどうしていいかわかりませんよね。

そこで気にしてほしいのがテニスのルールです。テニスコートの大きさをググって調べてみてください。ネットの高さおよそ1m、横幅およそ10m、縦幅およそ24mです。そしてネットより上はアウトドアの場合、無限の高さまで上げられます。

まだ初級レベルだという方々、ちょっとここでボールを打ったイメージをしてみてください。どういうフォームで打ったかではなく、自分のボールの弾道はどうだったか。

ネットからどの辺の高さをボールを通しましたか?そのボールがどの辺から地面に向かって落ち始めて、どの辺に落下しましたか?

何もイメージが浮かんでこなかった方、残念ながら失敗です。

ネットすれすれを通ったイメージを持った方、これも残念ながら失敗です。
ラインぎりぎりに落下したイメージを持った方、これもまた残念ながら失敗です。

たとえ、実際打ったボールがスレスレギリギリに本当に入ったとしてもそのイメージを持った時点で失敗です。

つまり、初級の方でコーチがついていない場合、まず打つ前にボールの弾道のイメージを持っているか、そしてそれがネットの高さよりラインの場所より余裕を持ってボールが動いくイメージであったかどうかを成功失敗の目安にしましょう。

実際打った現実の弾道が事前のイメージ通りいかなかったのは失敗ではありません。全く違うボールがいったとしても具体的なイメージができていればいるほど成功です。
そして現実の弾道と事前のイメージを比較します。現実の弾道が低すぎたら事前のイメージをもっと高くしましょう。アウトしてたら事前のイメージより内側に落下するイメージを持ちましょう。

自分の体の動きなど、見えないものにフォーカスしてしまうと情報量が増えて複雑になります。手がどうなってる時に足がどうなって頭はどの辺にあって。。。複雑です。

飛んでいくボールははっきり目に見えるものでシンプルです。ラリーに入る前に弾道を予めイメージしておけば時間の余裕はできますし、ラリーが途切れたらラリー中のボールの弾道がイメージ通りだったかどうか比較すれば失敗を消化する時間もできます。
こうすることで失敗を糧にすることができるのです。

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これらもテニス以外に使える上達方法だと思います。特に初めて挑戦することは、ルールを調べてその中でハイリスクなことを排除したイメージを持って事に臨みます。ローリスクにしたつもりでも最初はやはり失敗が多い。本当の失敗はイメージなしに臨むことですので、現実の失敗でショックを受けずに、予めイメージしていたものと現実の結果とを比較して修正改善するのです。

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自分自身も自分に関わった方々も上達した時や、できた!っていう瞬間が僕は第好きです。
その瞬間を体験したいからテニスをしてる、その瞬間見たいからテニスコーチをしてると言っても過言ではありません。